船で行く熊野三山と十津川温泉、奈良、保津川下り
2004.3.31(水)〜4.4(日)

同行者:なし

往路 マリンエキスプレスで川崎港より那智港まで(2005年廃線)
復路 京都駅より新幹線自由席
宿 十津川観光ホテル山水
ホテルアジール奈良
智積院会館(宿坊)


31日(水)
慌てて準備して飛び出して来たのに、待ち合い所で二時間も待ちぼうけですよ……
低気圧の影響で船の入港が遅れているそうな。
こんなことならもっとゆっくりしてくれば良かった。
飲食店位あるだろと思ったら、川崎港ターミナルは何もないっ。チンするタイプの軽食、カップ麺、長期保存のパンの自販機だけ。
こんなことなら川崎駅で買っておくべきだった。ちぃっ。
チンした炒飯とパンで夕食です。しくり。

結局予定より二時間遅れて、川崎港を出港しました。
私は二等C寝室です。二段ベッド。流石に二等の雑魚寝は(苦笑)
小学校の移動教室で行った、下田自然の家を思い出しました。あそこもこんな二段ベッドだったっけ。
二等C室は一部屋の定員が18人ですが、実際7人しかいませんでした。
平日の、しかも水曜出港じゃあね。殆どツアーの人か、マイカー、マイバイク持参の人みたい。
でも川崎港出港は月水金しかないんですよ。だから働いている間は乗れなかった。念願叶ったりv
船は列車と違って、下のベッドの方が優先なんですね。
他の部屋も全部下のベッドのみ使用されていました。揺れるからかな。
展望大浴場は洗い場が五つと少なめですが、湯船は広め。
揺れる船の上でお風呂に入るっていいもんです。
私はまだ港に停泊中に入ったので、そんなに揺れませんでしたけど。
あーあ、時間通りに入港しててくれたら、船のレストランでおいしいもの食べれたのにUなー。
お腹は空くし暇だしで待てなかったよ…バイキング1500円って知ってたら、意地でも我慢したものを!
でもまあ、船旅はやっぱり楽しいです。暇なのでさっさと就寝。

1日(木)
二時間遅れて出港した割に、到着は一時間の遅れですみました。頑張ったね、マリンエキスプレス!
到着一時間少し前に放送が入り、起床。
本来は6:10着だから、五時過ぎに起こされるんだったのか…船旅楽しむには、これ位の時間のがいいな。

船を降り、バスで紀伊勝浦駅へ。バスを乗換え、那智山熊野大社に向かいます。
駅で貰ったパンフを見て大門坂から行くことにしたのですが、熊野古道は厳しかった。
苔蒸した石畳を延々昇る事20分、ようやく終点バス停那智山に到着。そしてそこからまた続く階段……
荷物持ったまま昇るにはきつい…(涙)
大社に着いた時には、息が苦しくて気分悪くなりました。最近運動不足だしな…那智山参拝の際は、紀伊勝浦駅で荷物預けて来る事をおすすめします。
そんなこんなで苦労した那智大社ですが、眺めは素晴らしかったです!高い〜
大社の右手にある青岸渡寺は建物が凄い!築何百年なんだろ…
三重の塔から那智の滝を眺め、道路を下っていよいよ那智の滝へ。
日本三大名瀑だけあって、大きくてとも美しい滝です。
滝壺から溢れる水は透明度の高い碧色。ああ、潜りたい…
滝の脇の飛瀧神社で初穂料を払うと、滝のすぐ近くに行けます。
100円で素焼きの杯を買い、長寿の湧き水を頂きました。冷たくて美味しい。湧き水が飲めるなんて幸せ。

滝そばのバス停から乗車して、紀伊勝浦に戻ります。
本当は那智で降りて補陀洛山寺に行きたかったけど、船が遅れたから断念。那智湾は紀伊勝浦駅から新宮駅に向かう電車の窓から眺めるだけだったんですが。
那智の海って青い……!
水色の絵の具を溶かしたみたいっ。本州でこんな綺麗な海が見れるなんてびっくりです!沖縄より青味が薄くて、本当に水色。うっとりしながら海を眺めてました。
新宮駅で下車し、熊野速玉大社へ。
那智大社と比べると、人も少なく静かな所です。神木のなぎの実で作ったお守りを買いました。
そこから徒歩五分の丹鶴城跡まで歩き(桜が見事でしたー。市民の憩いの場)、浮島の森へ行き(水の上に浮いている島。何故か熱帯、温帯の植物が混在。国の天然記念物)、時間が余ったので徐福公園と阿須賀神社と市立民族資料館を見てきました。
近い距離にあるから短い時間でこんなに回れるんですよね。こんなことなら神倉神社にも行けばよかった。階段が多くて上るの大変という話だったので、つい敬遠してしまった…

お昼ごはんは駅前でしらす丼とめはり寿司を食べました。東京では滅多にお目にかかれないでっかいしらすと胡麻がのった丼でした。
めはり寿司はタレに漬けた高菜でごはんを巻いたお寿司です。ミニおにぎりサイズで可愛いv

熊野三山最後の大社は、新宮からバスで一時間強、熊野本宮大社です。
黒い鳥居をくぐって、またもや長い階段を上った所にあります。今回よく階段上ったなあ…
大社から10分程歩いた所の大斎原は、かつての熊野本宮があった場所です。
洪水のため現在の場所に移建されました。今は桜の名所となっていますが、厳粛な空気が今も漂っています。
大斎原からすぐの河原もまた不思議な所です。白い石砂利の合間を流れる川。
どこか浮世離れした風景です。

熊野本宮に向かう途中山道を通ったんですが、そこから見える川の美しさにまた感動。
本当に絵の具のエメラルドグリーンそのものなんです。どうしてこんなに綺麗なのっ。
上流だけならともかく、もう何キロも延々と美しい川が続いているんですよ。
四国の四万十川も綺麗でしたが、ここまで美しい碧じゃなかった。
これが本来の川の色なんだろうなあと思ったら、悲しくなりました。日本中の川がみんなこんな色になったらいいな。

今夜の宿は本宮大社から三十分ほどバスで行った所の、秘境十津川温泉です。
バス停から宿の人に迎えに来てもらいました。歩こうと思ったら、三十分以上かかるって…まさに秘境。
宿から7分程歩いた所に、野猿がありました。
昔の移動手段の一つで、一人乗りの館に入り、向こう側に渡したロープを手繰り寄せて川を渡るんですが、
ローブが重くて動かなかった…
弛んでたロープを張り詰めるのがやっとです。女の子じゃ無理だーっ(しかも小さな箱なのでかなり怖い)
この野猿、無料の上誰も管理人はいないみたいでした。いいのかそれで。

夕食は山菜の煮物に天ぷら、茶碗蒸し、鴨鍋、刺身、漬物、鮎の塩焼き。
一人客なのに部屋に運んでもらっちゃったよ。贅沢V
お風呂もご主人が勧めるだけあって素敵でした。遮る物のない本当の露天風呂なんです。
山の中の一軒家だから、部屋からの角度さえ気をつければ覗かれる心配がないんですね。
もう暗くて景色が見えなかったので、明日早起きして朝風呂だぁっ。
川のせせらぎと蛙の鳴き声をBGMに就寝。

2日(金)
朝五時半に目が覚めたので、早速朝風呂に行ってきました。
生憎雨が降っていましたが、それもまた良し。雨の中目の前の山を眺めてのんびり湯に浸かる贅沢。
朝食はおかずは少なかったけど、ご飯がめちゃ美味しかったです!ふっくらふわふわ。
味噌汁は赤だしだけと辛くない。苦手な奈良漬もここのは美味しかった。
朝からご飯をお代わりしてしまった♪
宿のご主人が凄くいい人で、居心地のいいお宿でした。
おじさんだけじゃなくて、和歌山(と和歌山寄りの奈良)の人ってみんな気さく。
各観光地でも、キョロキョロしてると笑顔でどうしましたか?って聞いてくれるんです。
多分県民性なんだろうな。商売根性とかじゃなくて、自分が知っている事を人にも教えてあげたいっていう素朴な気持ち。押付けがましくないの。
和歌山県好きです。また来るぞっ。

十津川温泉からバスで四時間半かけて、奈良の大和八木駅に向かいます。
途中に谷瀬のつり橋という人がやっとすれ違うほどの細い鉄線のつり橋があって、路線バスはここで見学の為に二十分止まるのを知っていのですが。
直前まで寝こけてて、「二十分休憩します」って言われて目が覚めて、ここがそうなのかなと思いつつ辺り見回してもそれらしきものが無かったんで、早々バスに戻ってしまいました。
そしたら私がお茶を買いに行った自販機のすぐ側にあったそうな…
馬鹿だー!!
でもまあ、バスでそこ通ったとき窓にへばりついてじっくり見たし、一応行ったということにしておこう…。
わああんっ、でも行きたかった!途中まででも渡ってみたかったようっ(橋好き)

大和八木に到着し、荷物をコインロッカーに預けて近鉄で長谷寺へ。
駅から結構歩きますが、お土産屋が多いのでそんなに遠くは感じません。
長谷寺は今は桜が満開でした。桜に埋もれた塔が綺麗。
長い登廊もいいです。やっぱり長い階段でしたが(苦笑)
お昼はこの近所でそうめん定食を食べました。
名物三輪そうめんと、たけのこご飯、胡麻豆腐、山菜のおひたし、香の物。
たけのこがいい香りv日本人で良かったとつくづく思います。
途中草もちを試食させてくれるとこがあったので、一つぱくり。激ウマ。
買いたいけど十個も一人で食べられないし、送ってもいいけど私が帰る頃には賞味期限が過ぎるので泣く泣く断念。一個売りもしてくれようっ。
別の店で一個売りしてたので食べましたが、さっきの店のが美味しかった。

また近鉄に乗って、今度は橿原神宮に。
ここも綺麗ですーっ。白砂利に映える建物。
神宮って建物が本当に綺麗ですよね。寺より好き。

一旦八木駅に戻って荷物を持ち、今度は大和郡山駅で下車。
目的は大和郡山城跡です。丁度お城の桜祭りとかで、出店がいっぱい出ていました。
お陰で人が多くて、天守閣跡を探すのが大変だった(苦笑)
ここは石仏を石垣に使ったという罰当たりな城です。石の合間に逆さまになったお地蔵さんがあるそうなんですが、暗くて遠くて見えんかった…。危険なので近寄れないようロープ代わりの大きな数珠が引いてあるんです。
お城の桜も満開で実に綺麗でした。でも写真に撮ると、その綺麗さが半減するんだよなあ。つまんない。
帰りは近鉄の駅に戻らずJR郡山駅へ。この方が奈良に行くには便利。
でも遠かった。今日はよく歩いたなー…

お宿はJR奈良駅近くのシティホテル。疲れたので、ダイエーで夕飯を買い込んでお部屋で夕食にしました。

3日(土)
荷物を半分宅配で送り、身軽になって今日も元気に観光です。
JR奈良駅よりバスに乗り、平城宮跡に行って来ました。
いやあ広い広い。だだっ広い敷地内に、ぽつぽつとある復元遺跡。
下手に完全に復元されているのより、台座だけの方が想像力をかきたてられますね。ロマンだ…(うっとり)
ここの資料館は全て無料の上、たくさんのボランティアガイドさんがいます。
みなさん凄く親切。奈良県も好きだv
復元中の大極殿は2010年公開予定だそうです。その頃また来たいな。

奈良に戻って、お次はJRで宇治へ。
平等院は改装中で入れませんでしたが、宝物館で中身は見る事ができます。
桜が満開で見事でした。
平等院近くで宇治茶と焙じ茶のミックスソフトを食べました。意外だけど美味しかったv
今日は宇治川の真ん中の島で桜祭りをやっていて、大賑わい。
春なのに鵜飼を見れてしまった。特別公開だそうでらっき♪
朝霧橋を渡って、興聖寺と宇治上神社、宇治神社を巡り、源氏物語ミュージアムへ。
人形を使ったシアターもあります。源氏物語好きは行くべし。

稲荷駅で下車し、伏見稲荷大社に参拝。これで本日の観光終了。
よく歩いたな…平城京と宇治は休憩なしに歩き詰め(昼はお菓子で保たせてしまった)

夕方の京都のバス状況は恐ろしいです。
駅前にはバス待ちの長蛇の列。道路は車が溢れて進まない。
三十三間堂、遠かった…京都着いてから一時間かかったよ…

今日の宿は智積院の宿坊です。
夕飯は隣りの精進料理の店を当てにしていたら、6時まででやんの。これなら夕食も宿坊で頼めば良かったあっ(朝食のみでお願いしていました)
回りにはろくな飲食店がありません。京都まで来て、全国チェーンのカレー屋入ったよ…
部屋は十畳の和室。浴衣、手ぬぐい、歯ブラシ、テレビ、お茶とお菓子もあり。普通の旅館と変わらないです。
ただ旅館はサービス悪いと文句言いたくなりますが、お寺だと返って恐縮してしまいます。相手はそれが本業じゃなくて、あくまでもお坊さんですからね。
大浴場にシャンプー類も揃ってます。トイレは共同だけど実に快適。お土産屋もありました。
明日は早いので11時に就寝。

4日(日)
朝5時半に大音響のアナウンスで起こされました。
5:45までに集合との事。やばっ、15分しかないっ。急いで準備してロビーへ向かいます。
今日の宿泊客は30名弱。おじさんおばさんが多いけど、若い子もいました。
雨の降る中50名あまりのお坊さんが待つ本堂へ移動し、朝のお勤め。
正座が辛い…足がしびれるーっ!
読経は何言ってるのか全然判りませんでしたが、たまに知っている言葉もあって面白いです。低く高く響く読経が素敵。
約40分間の苦行(正座)を終え、再び外に出て護摩壇に移動します。
ここでまた10分間の祈祷です。この時焚いた護摩札を後で頂きました。
それから庭園に行ってお庭を眺め、隣の部屋で智積院の宿泊客用に焼かれたお菓子とお茶を頂き、(僧侶の専門学校の修行僧が焼いたもので、ここでしか食べられないそうな)宝物館を見学。
ここの障壁画にはある秘密があり、それは宿泊客しか見れません。
電気を消すと、描かれたお花がぼやーっと浮かび上がるんです。
花の部分に貝殻を擂って塗ってあるんですって。
宝物館の見学代は勿論宿泊料込み。お菓子も食べれて、記念に特製手ぬぐいも貰えます。
お勤めという特別な物にも参加できて、普通の宿より何倍もお得ですよ♪
びっくりしたのは朝食に納豆が出たこと。
最近は関西でも普通に納豆食べるって聞いたけど、まさか京都で食べれるとは。
この納豆、豆が大粒で粘りも強くて、ふっくらしてて美味しい!
水戸納豆より美味しいよ!(爆)
お浸しは高菜でした。漬物用の野菜である高菜のお浸しなんて、流石産地v
宿坊初泊まりだったので設備が整っている智積院を選びましたけど、今度はもっとお寺ーって感じのとこにも泊まってみたいです。

一旦京都駅に戻り、バスで仁和寺へ。
今日の目的は仁和寺ではなく、そこから10分歩いたとこの竜安寺です。
京都からだと竜安寺行きのバスがないんだもの。
ここの石庭は手塚先生の「三つ目がとおる」で、古代レムリヤ王国の海図という設定でした。手塚ファンとしては行かなきゃね!(笑)
回遊庭園は桜が見事でした。今回一杯桜見たなあ。

その後京福電鉄御室駅まで歩き、嵯峨野に向かいました。
トロッコ嵯峨駅で滋賀県の友人と合流。トロッコ電車で保津川下りの乗船場に向かいます。
雨なのに人が一杯だった……人が多くて座席に座れず、立って行きました。トロッコがこんなに込むのは、ごく一部の季節だけなそうな。流石花見の季節。
5両編成で、5両目は壁がなく吹きさらしです。暑い季節ならいいでしょうが、今は絶対嫌。寒くて死ぬ。
トロッコ亀岡駅からバスで移動し、ようやく乗船場へ。
船の中に火鉢かなんかあるといいねーと言っていたのだけれど、小さなボートに24人位がきちきちに座っててそんなスペースは無く…

寒すぎる!!!

昨日までの暖かさは何処に行ったんだあっ!
1日目2日目とむしろ暑い位だったので、宅配で上着は送ってしまったのでした…。しかも今日の服は4日間で一番薄着…
船に乗って10分、既に下りたくなりました(爆)
寒い、マジで寒い。
船底が薄くて、ボートを漕ぐと足元を水が流れていくの判るし。
急流に差し掛かると、一気に体感温度下がるし。
足から顔からどんどん体温が奪われていく…
せめてひざ掛けでもあったなら!
歯の根が合わずがちがち言うし、内臓が寒さでぐるぐる震えてるのが判る。足の指は冷たく、手は悴み、まさに遭難者の気分。
あまりの寒さにトイレに行きたくなって来て、そっちを我慢するのもまた苦労。
今寝たら死ぬ、と思いましたね。
私たちは身を寄せ合ってがたがた震えてましたが、他にはそれ程寒がっている人はいなかった模様。後ろの子供たちは大歓声上げてるし。(いいサクラだ。大人だけだったらおおっ、位で盛り上がらなかっただろうなー。人の重みで、急流に来ても船は殆ど揺れません)
寒かった…とにかく寒かった……十津川下りはどうでしたか?と訊かれたら、それしか感想出てこないよ…。。
渡月橋近くになって、売店(売船?)が近づいてきておでんやらお茶やら売ってましたが、寒くて買う気力もナイ。
本来2時間のコースですが、今日は水量が多いので1時間半で着きました。
船から降りた私たちが真っ先に行ったとこはトイレ(笑)、そして壁に吹きさらしでないお店でした。
温かい湯豆腐を食べ、やっと人心地。

それから京都駅に戻って、手塚治虫シアターでアトム3作目を見ました。
ロボットで夢オチってありですか……っ!?
飯田橋博士は名前が違うけど御茶ノ水博士の子孫ですか…?顔そっくりなんですけど…。
なんか色々言いたくなる内容でした。
三部作は一作目が一番出来が良かったです。
今のが終わったら、今度は何を上映するんでしょうね。



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